4 March 2016

ニュートンとキリスト教

研究室の家事で20年分の研究書類を失ってしまったニュートン
この絵は、1874年に描かれたものだそうです。
有引力の法則を発見したニュートンは、「近代物理学の父」として有名ですが、ニュートン自身は自分を自然哲学者だと思っていたそうです。

ニュートンは、自分自身を「聖書を正しく理解する使命のために神に選ばれた人のひとり」だと信じていたのだとか。

聖書の言葉の奥に潜む真理を知ろうと、ヘブライ語を学んで、ヘブライ語版の原典を研究したのだそうです。

聖書の言葉や記述に隠されているとされる暗号「バイブル・コード」の調査や解釈に生涯の多くをささげたことが知られています。

特に、ヨハネの黙示録の解釈に重点を置いて、自分なりの解釈を詳しく述べた草稿も残しています。


ニュートンにとっては、神は単なる創造主ではなく、永遠に宇宙の調和と発展を維持し続けている存在であり、神仕組みの解明(真の科学知識)が社会の道徳的な改善につながると信じていました。

ニュートンの自然科学研究はキリスト教の信仰を基にしたものだという考え方が近年まで一般的でしたが、実際には、教会のdogmaに対して異端な考えを持ち、「Trinity (三位一体)」を否定していたのだそうです。「根源の神のみが完璧である」と信じていたためです。

でも、ケンブリッジ大学で研究を続けるために、教会の教義に反する考えを、生前に公にすることはありませんでした。当時、ケンブリッジ大学に在籍するためには、敬虔なAnglicanでなければならなかったからです。

ニュートンの死後、10 million words (小説本100冊分ほど)もの、錬金術などに関するmanuscriptが発見されましたが、「物理学者としてのニュートンのイメージに合わない」ということで公にされませんでした。

その後、1936年にオークションされ、経済学者のKeynesらが購入し、現在は、その多くが、エルサレムのJewish National and University Libraryで保管されているそうです。

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