31 March 2016

コブル家に起きた奇跡

2007年にアメリカのCoble家に起きたtragedyと miracleの話です。


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2007年の5月にお母さんのLoriさんが5歳のKyle君と4歳のEmmaちゃんと2歳のKatieちゃんを乗せて車を運転していたときに、後ろから大型トラックに衝突され、子供たちが亡くなるという悲劇が起きました。

その後IVFでLoriさんが妊娠し、事故の約1年後に三つ子(男の子一人、女の子二人)を無事出産しました。ご両親は、「天国にいる子供たちがこの奇跡を起こしてくれたにちがいない」と信じているそうです。

Facebook Children Gone too soon
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左の写真が7歳になったtripletsのAshleyちゃんとJake君とEllieちゃん、右の写真が事故でなくなったお兄ちゃんとお姉ちゃんなのですが、三人とも、それぞれ顔がそっくりではありませんか?

写真を見ただけでは、性格までそっくりなのかはわかりませんが、事故でなくなった三人が生まれ変わってきたのでは?と思うほど、よく似てますね。

27 March 2016

古代ギリシャ人はエジプトに留学していた!?

古代ギリシャの偉人たちがエジプトへ留学し、寺院で秘儀や真理を学び、イニシエーションを受けていたらしい・・・というちょっと難しい話です。


プラトン(Plato /plt/ プレイトウと発音、428-348頃)やSocrates(ソクラテス 前469-399)の時代以前から、ギリシャ人はエジプト人のことを「太古からの智慧を受け継ぎ、守り伝える者」として尊敬していたため、ギリシャの偉大な賢人たちの多くが、イシス信仰やオシリス信仰の寺院でイニシエーションを受けて秘儀を授かるためにエジプトを訪れたそうです。

 前1世紀頃のギリシャの歴史家ディオドロスは、エジプトのSaisが「アテナイ人の建設した都市だ」と記録し、「歴史の父」へロドトス(前485-420頃)は、「サイスにオシリスの墓があった」と記録しています。

プラトンは、ギリシャの「七賢人」の一人と言われる政治家ソロン(前638-588頃)が、見聞旅行で訪れたサイスの寺院で神官からアトランティス伝説を教わったと伝えていて・・・

著作『ティマイオス』『クリティアス』の中で、「ソロンがエジプトを訪れた際に、9000年間神官から神官へと伝授され続けてきた秘儀や智慧のあまりの偉大さに、ギリシャ人がまるで幼児のように感じられた」と述べています

ソロンはサイスの寺院で「ギリシャ人の誰よりもギリシャの歴史に詳しいエジプトの神官に出会ったのだそうです。

新プラトン学派のシリア人哲学者イアンブリコス(245-325)は、古代ギリシャの数学者・哲学者のピュタゴラスPythagoras米語pɪˈθæɡərəs/;英語 /pˈθæɡərəs/ パイサゴラスと発音、528-496)が、エジプトの寺院へ留学してイニシエーションを受け、22年間神官の指導を受けながら、秘儀や幾何学などを学んだと述べているほか、ピュタゴラスとプラトンがエジプトの神官の助けを借りて、「ヘルメス(トート)の石碑」の文章を読んだと記述しています。



25 March 2016

Happy Easter!?


今日は、Easter Fridayで、Jesus Christの復活を祝う復活祭の最初の日。キリスト教圏の国では、クリスマス(Jesusの生誕を祝う)に次ぐ大切な祝日です。

Easter Weekend は、移動祝日で、Easter FridayからEaster Mondayまでの4日間がPublic Holidayになるのですが、毎年どの週末がイースターになるかが違います。

春分の後の最初の満月の日の次の日曜日がイエス・キリストの復活日だと決められているからなんです。

いつをイースターにすべきかは、紀元325年に開かれた第1ニカイア公会議で正式に決められました。

初期キリスト教では、まだ教義が確立しておらず、宗派によって、キリスト論や三位一体論などについても、異なる解釈があったため、ニカイアで全キリスト教会からの代表者が集まって教義を確立し、それに反する考え方を異端として排斥することを決めました。

その公会議の議題のひとつが、イースターをいつにすべきか、ということだったんです。

Early Christian (原始キリスト教徒)がイースターを祝っていた歴史的な記述は一切なく、教会がイースターを祝い始めたのは2世紀ごろだと言われています。

ペイガン起源説について調べてみると・・・

バビロニア時代にまで戻る話もあって、それぞれ少しストーリーが違ったりして、真実が何なのかよくわかりません。 Youtube動画もいくつか観てみましたが、「Easterは異端の祭りだから教会がイースターを祝うのは止めるべきだ」という主張のちょっと怖い動画もありました。


一般に知られているのは、8世紀の神父Bedeの説で、ゲルマン族の神話の春の女神Eostre(Ostara)
に由来するというもの。

この(左)100年ぐらい前に描かれたイースターの絵からもわかるように、伝統的なイースターのお祝いには、キリスト教の色が薄く、イースターが春の訪れを祝う庶民のお祭りであることには間違いようです。


卵は、New LifeやRebirth (再誕)ウサギはFertility(多産)のシンボル(ただし、これにも諸説があります)


というわけで、欧米諸国、特に寒い地方では、長い冬が終わって春になったことを喜び祝う意味の強い祭日なのですが、南半球のオーストラリアは、四季のない地方が多いうえ、四季があるところでも、イースターは春ではなく秋。


クリスマスは真夏だし、復活祭(春祭り)は秋だし、南半球にいると、季節感が逆であまり雰囲気が出ません。

20 March 2016

あなたの魂は何色?





“The soul becomes dyed with the colour of its thoughts.”

-Marcus Aurelius 'Meditations'



1792年に出版された「自省録」の英訳本
第16代ローマ皇帝だったマルクス・アウレリウス(AD121年ー180年)が遺した有名な言葉です。

ストア哲学(Stoic Philosophy) などの学識に長けていたマルクス・アウレリウスは、軍事よりも学問を好み、その智慧で国をよく治めたとしてローマ帝国時代の五賢帝の一人とされています。

マルクス・アウレリウスの著作『自省録』は、英語ではMeditationsと翻訳されていますが、ギリシャ語でのタイトルは、Τὰ εἰς ἑαυτόν Ta eis heautonで、これを直訳すると "[that which is] to himself" という意味なのだそうです。 自分自身がストア哲学などから学んだことや気づいたことを書き記したもののようです。

この“The soul becomes dyed with the colour of its thoughts.”のdyed のdyeは、「染める」と言う意味ですが、dieと発音が同じです。日本語に直訳すると、「心の中の思いの色によって、魂が染まる」というような意味でしょうか・・・ もしかしたら、マルクス・アウレリウスは、オーラや人の思いの色を見ることができたのかもしれませんね?

意訳すると・・・

「どのようなことを思い、考えているかによってその人の魂がどういう魂かがわかる」
「思いを変えれば魂も変わる」
「魂の向上を目指すものは、その思いがどういう思いであるかを常に点検せよ」

というような感じになるでしょうか?

皆さんは、これがどういう意味だと思われますか?マルクス・アウレリウスが、2000年も昔に、どんなことを考えながら書いたか気になりますね。

9 March 2016

ヘルメスのイニシエーション


先日ご紹介した”The Hermetica-The Lost Wisdom of the Pharaohs”(ヘルメス文書ー失われたファラオの智慧)の中に、ヘルメスが受けたイニシエーションについて書かれた箇所があります。 翻訳すると、だいたい下のような感じになります。 何千年(何万年?)経っても新鮮な、この不変の真理を感性で感じてみてくださいね。


ヘルメスのイニシエーション


神秘的な眠りの中、感覚が一時的に停止した。
疲れて眠気に襲われたわけでなく 意識がはっきりとしている空虚感。
体から解き放たれ、想いと共に舞い上がった。
どんどん上がっていった。

すると、
広大な無限なる存在らしきものが 私を呼んだ。
「ヘルメスよ。何を求めているのだ」

「どなたですか」
そう私はたずねた。

「我は導きの者 - 最大にして最高の心
唯一なる神の想いそのもの。
我はいつでもどこでもおまえと共にいる。
おまえの望みを知っている。
訊ねたいことを心に思い浮かべなさい。
そうすれば答えが得られるだろう」

「実在なるものの本質についてお示しください。
どうか私に神の智慧を授けたまえ」

するととたんに周りが変化した。
一瞬にして実在なるものが開き 無限に広がった。
すべてが光に溶け込み
唯一なる喜びあふれる愛と一体になっている。

だが、光は暗く厳しい影を落とし
下へ下へと降りていき
それが絶え間なく揺らぐ水のようなものになり
無秩序に揺れ動きながら
モクモクと煙のように広がった。

そして私は、何とも言えない哀歌を聞いた。
光から別れたことの悲しみの声。
そのとき光が言葉を発した。
そして無秩序の水の揺れが静まった。
  導きの者がたずねた。

「このヴィジョンの秘密がわかるか。
我は光 - 神の心。
可能性を秘めた無秩序の暗い水よりも古い昔から存在したもの。
無秩序を静める、我が言葉が神の子。
美しい秩序の理念。
万物と万物の調和。

最初から存在した心、
それが言葉の親。

おまえも経験したように 人間の心が言葉を生む。
心と言葉は別けることができない。
生命が心と言葉によってできているから。

さあ、心を光にしっかりと向け 光と一体になれ」

神はこう語ると 私の心の奥をのぞいた。
すると、光の中に存在する無限の力が、
永遠であり秩序のある世界を創る様子が
想念として見え、驚き震えた。

私は見た。
形のあるものが何もない深く無秩序な水の暗闇に、
精妙で知性ある神の一息が吹き込まれ
すみずみまで浸透していくのを。

神の言葉が肥沃な水に落ち、 あらゆる形態を身ごもらせた。
調和の言葉から四大元素が生まれ、
それらが結合して生物が現れた。

火の元素は星座として発現し、
七つの天体を司る神々は
永遠に天界をぐるぐる回転している。

そのとき'言葉'が
自然の元素から別れて上昇し
創造主の心と再び一体となった。
知性に欠ける物体のみを残して。

導きの者は言った。
「おまえは宇宙誕生以前の 限りなく古くから存在する理念を見た。
神の意志によって 自然の元素が生まれた。
最初の想いの投影として
可能性を秘めた水の中で。

これが宇宙の万物の第一原理。

神の言葉は創造の理念
最高なる無限の力
万物を養い育てる力
それによって宇宙は創られた。

私はおまえにすべてを見せた。
何を待っているのだ。
おまえの得た智慧を
ヒエログリフで 神聖なる寺院の石版に刻め。

神の知識の贈り物を 受けるに値する者たちの
スピリチュアル・ガイドとなれ。

さすればおまえを通して
神は人類を救うことができるであろう」

最高なるヴィジョンを与えてくださった 神への感謝で
胸がいっぱいになった。

神への尊敬の思いを込めて私は祈った。
「神よ、どうか私が、神の智慧から 落ち去ることがありませんように。
闇に生きる者たちを照らすために 常にあなたの智慧と一体であれますように」

  そのとき、自らの内に秘める神の力で
私は語りはじめた。

神から遠ざかった者たちは 私の言葉をあざ笑った。
しかし私のもとに跪いた者たちもいた。

私はその者たちに言った。
「さあ、立ちなさい。
そして 智慧の種を授かりなさい。
私はあなたの心に智慧の種を蒔きましょう」

”The Hermetica-The Lost Wisdom of the Pharaohs” by Freke & Candyからの抜粋 (翻訳:マサコ・スミス)

4 March 2016

ニュートンとキリスト教

研究室の家事で20年分の研究書類を失ってしまったニュートン
この絵は、1874年に描かれたものだそうです。
有引力の法則を発見したニュートンは、「近代物理学の父」として有名ですが、ニュートン自身は自分を自然哲学者だと思っていたそうです。

ニュートンは、自分自身を「聖書を正しく理解する使命のために神に選ばれた人のひとり」だと信じていたのだとか。

聖書の言葉の奥に潜む真理を知ろうと、ヘブライ語を学んで、ヘブライ語版の原典を研究したのだそうです。

聖書の言葉や記述に隠されているとされる暗号「バイブル・コード」の調査や解釈に生涯の多くをささげたことが知られています。

特に、ヨハネの黙示録の解釈に重点を置いて、自分なりの解釈を詳しく述べた草稿も残しています。


ニュートンにとっては、神は単なる創造主ではなく、永遠に宇宙の調和と発展を維持し続けている存在であり、神仕組みの解明(真の科学知識)が社会の道徳的な改善につながると信じていました。

ニュートンの自然科学研究はキリスト教の信仰を基にしたものだという考え方が近年まで一般的でしたが、実際には、教会のdogmaに対して異端な考えを持ち、「Trinity (三位一体)」を否定していたのだそうです。「根源の神のみが完璧である」と信じていたためです。

でも、ケンブリッジ大学で研究を続けるために、教会の教義に反する考えを、生前に公にすることはありませんでした。当時、ケンブリッジ大学に在籍するためには、敬虔なAnglicanでなければならなかったからです。

ニュートンの死後、10 million words (小説本100冊分ほど)もの、錬金術などに関するmanuscriptが発見されましたが、「物理学者としてのニュートンのイメージに合わない」ということで公にされませんでした。

その後、1936年にオークションされ、経済学者のKeynesらが購入し、現在は、その多くが、エルサレムのJewish National and University Libraryで保管されているそうです。

1 March 2016

ニュートンはヘルメティストだった!?

先日の記事の続です)

1606年にHenrich Khunrathが描いたとされる
エメラルド・タブレットの想像画
ヘルメスが刻んだとされている伝説のエメラルド・タブレット(Emerald Tablet)は、現物がどこにあるのか謎のままですが、その碑文とされるものは中世の錬金術師らによって翻訳され、複数残っています。

その翻訳のうち、アイザック・ニュートンが英語に翻訳したものがとても有名です。



ニュートンによる『エメラルド・タブレット』の英訳(1680年)

1. Tis true without lying, certain & most true.
2. That which is below is like that which is above & that which is above is like that which is below to do the miracles of one only thing.
3. And as all things have been & arose from one by the meditation of one: so all things have their birth from this one thing by adaptation.
4. The Sun is its father, the moon its mother,
5. The wind hath carried it in its belly, the earth its nurse.
6. The father of all perfection in the whole world is here.
7. Its force or power is entire if it be converted into earth.
7a. Separate thou the earth from the fire, the subtle from the gross sweetly with great industry.
8. It ascends from the earth to the heaven & again it descends to the earth and receives the force of things superior & inferior.
9. By this means you shall have the glory of the whole world & thereby all obscurity shall fly from you.
10. Its force is above all force, for it vanquishes every subtle thing & penetrates every solid thing.
11a. So was the world created.
12. From this are & do come admirable adaptations where of the means (or process) is here in this.
13. Hence I am called Hermes Trismegist, having the three parts of the philosophy of the whole world.
14. That which I have said of the operation of the Sun is accomplished & ended.


これを和訳すると、下のような感じになるかと思います。何のことを意味しているのか謎の文がたくさんありますが、この謎性が、中世のヘルメティストたちを魅了したのかもしれませんね。2番の「下なるものは上なるもののごとく、上なるものは下なるもののごとし」がHermetismで最も有名な思想です。

1. これは真実、偽りなしの確かな真実。

2. 唯一なるものの奇蹟は、「下なるものは上なるもののごとく、上なるものは下なるもののごとし」の原理による。

3. 万物は唯一なるものの熟慮(瞑想)によって唯一なるものから生じた。ゆえに万物は適応することによって唯一なるものから生まれた。

4. 太陽はその「父」、月はその「母」。

5. 風はそれを体内に宿し、大地はそれを育てる。

6. 全世界の完璧なる被造物すべての父はここにいる。

7. その力は完全である。もしその力が大地の力に変わるならば。

7a.偉大なる勤勉さで、地から火を、粗雑なものから精妙なものを快く分かつ。

8. それは地から天へ昇り、そしてまた天から地へ降りる。それによって優れたものと劣ったもの、すべての力を身に付ける。


 9.  これによって、汝は宇宙の栄光(神の叡智)を手に入れるだろう。そして、(その叡智によって)すべての不明瞭が消え去るだろう。

10.その力はすべての力を超越する。なぜなら、それはあらゆる精妙で神秘的なものを支配し、あらゆる固体を貫く力だから。

11a.このようにして世界は創造された。

12. この真理を知ることによって、ここに示されている手段(または過程)の驚くべき適応(奇蹟)が生まれる。

13. 我はヘルメス・トリスメギストス。全世界の哲学の三部分をもつゆえに、この名で呼ばれる。


  14.太陽の働きについての私の説明はこれで完結した。



アイザック・ニュートンがオカルト研究をしていたこと、錬金術師であり、Hermetist (ヘルメティスト)であったことが欧米諸国では知られています。

ニュートンの錬金術書を収集していた経済学者Keynes(ケインズ)は、ニュートンのことを、「 ”the first king of reason”(理性の時代の最初の偉人)ではなく、“the last of the magicians”(最後の魔術師)だ」と書き遺しているのだそうです。