24 February 2016

ヘルメスの予言

(この記事は、2013年にアメブロに掲載した記事を編集しなおしたものです)

私は、本を集めるのが趣味なのですが、たくさんある本の中でも、この本 "The Hermetica"は、私の大好きな本のうちの1冊です。


"Hermetica" は日本語では、[ヘルメス文書」と言われています。ヘルメス文書のヘルメス (Hermes,発音は/hrmiz/ハ-ミーズ)は、エジプトのヘルメス神(エジプトのトス神とギリシャのヘルメス神は同一だとされていた)のことで、Hermeticaは、2-3世紀頃に古代エジプトの智慧(ヘルメスの教え)が編集されたものとされています。

Hermeticaで説かれているHermesの神秘思想をヘルメス思想(Hermeticism,または Hermetism)といい、西洋の神秘思想(Theosophyも含む)のもとになったと言われています。

エジプトを起源として欧米に広がっていった文明の発展に、このヘルメス思想が大きく影響したことが、近年明らかになってきました。

この本の「ヘルメスの予言」箇所を翻訳してみたので、言魂を感じてみてください。


とても懐かしい響きがありませんか? 遠い昔、エジプト時代に聞いたことがあるような・・・


ヘルメス文書
”The Hermetica-The Lost Wisdom of the Pharaohs” by Freke & Candyからの抜粋 
(翻訳:マサコ・スミス)


ヘルメスの予言
真の哲学は スピリチュアルな精進。
常に深く思慧して
神の叡智を得ること。

しかし私はここに予言する。
いつか、人々が哲学を求めなくなるときが来る。
純粋な心で一筋に
真理を求める者がいなくなる。
 哲学の真の目的が見失われ
理解しがたいものとなる。

真の哲学を学ぶものは
科学を奇抜な理論としてでなく
神への献身として探究する。

神へ一途な愛をささげ
神の善なる意志に従うこと。
これが哲学。

しかし私は予言する。
時が経てば
頭のいい教養人が
人々を純粋な哲学から遠ざけ
間違った方向へ導くであろう。

かつて地上天国であったエジプトは
やがて異国人に攻められる。

聖なる生き方を無視し
神聖なる寺院や神殿は
死体や葬儀で満たされる。

生き残ったものは
その言語のみでエジプト人と呼ばれる。
その行動はまったく別の人種であるのに。

すべての聖なる声は沈黙させられ
光にかわって闇が好まれる。
天を向く者もいなくなる。
純粋なる者が狂人だと言われ
不純なる者が賢人だと讃えられる。
気の狂った者が勇者だと言われ
悪人が善人と呼ばれる。
不滅なる魂を信ずる者は
笑われ否定される。
天国的な言葉は
聞かれも信じられもしなくなる。

ゆえに私、ヘルメス・トリスメギストス
すべての知識を最初に得た人間。
神々の秘密を聖なるシンボル
ヒエログリフに隠し
石版に刻み記した。
人間が聖なる智慧を捜し求めるかもしれない未来のために。

17 February 2016

ワールドティーチャーが生まれると予言したブラヴァツキー女史

(先日の記事の続きです)

神智学協会については・・・学術研究の対象となるぐらい奥が深いので、詳しい話は別な機会に回したいと思いますが、一言で言えば、永遠なる不変の真理を求めている人たちの集まりとでも言えるでしょうか?

オーストラリアの神智学協会のウェブサイトによると・・・・


Theosophyという言葉は、


"divine wisdom",または "divine wisdomに関する教え” を意味するそうです。divineは、「神の」と言う意味ですので、「神の智慧」というような意味です。


現在は、Theosophical Societyには教えを説くGuru的存在の先生はおらず、様々な神秘思想や宗教に共通するユニバーサルな教え・真理を探究する場所になっているようですが、設立された初期の頃に説かれていた教えは、"gathered from a wide variety of sources Eastern and Western, including Plato, the Kabbalah, Hermetic Writings, the teachings of the Buddha and the Upanishads"とのこと。


プラトン哲学や、カバラ、古代ギリシャ・エジプトのヘルメス思想、仏教やウパニシャッドなど、東西の様々な神秘思想のエッセンスを体系化したもののようです。


Wikipediaによると、神智学協会の設立者の一人であるブラヴァツキー女史は、1889年頃から、「神智学協会設立の目的は、将来現れるWorld Teacherを人類が受け入れる基盤をつくるため」であり、その"the new torch-bearer of Truth"は、”the last quarter of the 20th century”まで姿を現さない」と言っていたそうです。


"a quarter"は4分の1という意味ですから、100年の4分の1=25年。"the last quarter of the 20th century"は、1975年ー2000年を意味します。ブラヴァツキー女史の予言があたっているとしたら、世界人類を真理へと導くワールドティーチャーはすでにこの地上におられるはずです・・・


15 February 2016

神智学協会vs 無神論




オーストラリア人の知人に、神智学協会(The Theosophical Society )の会長をしたことのある人がいるのですが・・・

その人がオーストラリアで開かれた無神論者の国際会議に興味を持って参加したときのことを話してくれたことがあります。

詳細は覚えていないのですが、「いや~、びっくりしたよ。Atheistsの言っていることを聞いていて、Atheismがカルト宗教にそっくりだということがわかったよ。彼らは、無神論信者だ」と言っていました。

自称Atheistの人たちの中にも、いろんな人がいると思うので、みんながみんなカルト宗教の狂信的な信者のようではないと思いますが、世界中から集まるほど熱心な人たちが熱狂的に語るのを聞いていたら、確かにそう感じるかもしれませんね。

「神仏の存在」を科学的に証明できないのは事実でも、「神仏の不在」の証明もできないので、証明できないのに「神がいない」ことを信じているなら、確かに「信仰」と言えるでしょう・・・??

ところで・・・・

3年ぐらい前にうちの近くであったTheosophical Societyの集いに、友達と一緒に参加したことがあるのですが、10人ぐらいの参加者のうち、比較的若いのは私たちだけで、その他の人たちは60-75歳ぐらいで、ビックリしました。30年ぐらい前は、若い人の中にも神智学に興味持っている人がたくさんいたように思うのですが、インターネットの時代の若者はあまりTheosophyに興味がないのか、神智学協会の組織自体に若者を惹きつけるようなイノベーションが必要なのか・・・?

Theosophical Society は18世紀後期にアメリカで設立され、北米・イギリスを中心に広がりました。シドニーにも、CBDにそのセンターがあり、メンバーになると、そこの図書館にある世界中の様々な宗教・思想の経典や書籍、資料を借りることができます。

(神智学については、次の記事でもう少し詳しく書く予定)

10 February 2016

Atheistとは?②

(先日の記事の続です)


Oxford Dictionaries によると、Atheismは、

Disbelief or lack of belief in the existence of God or gods.

という意味だそうですから、Atheistは、「神の存在を信じない人=無神論者」という意味です。

だから、外国で日本人が"I'm a Buddhist, a Shintoist, and an atheist."と言うと、聞いた人が???となるわけなんです

Atheistが寺や神社をお参りして、お祈りしたりお賽銭したりということは普通に考えるとありえません。

それに・・・日本の伝統的な宗教文化に興味を持っている外国人は、日本人はさぞかし信仰深いのだろうと想像しているので、「現代の日本人のほとんどがAtheistだというようなことをきくと、すごく驚いたりがっかりしたりするようです。

外国人から見ると、「神の存在を信じていない日本人が、神社に行って手を合わせて祈り、お賽銭をしたり、おみくじを買ったりする」っていうのは、ビックリです。

日本人はたぶん、「それは日本の伝統的な文化だから」などと説明すると思うのですが、本当にそれだけの理由で、神社でお祈りしたりするんでしょうか?

クリスチャンじゃないのにキリスト教の教会で結婚する人も多いですから、確かに、形だけ真似ているのかもしれませんが、神社でお祈りするときに、自分よりも高次元の目に見えない存在や力に対して祈っているなら、その人 が自分のことをAtheistと言うのは、単語の選び方を間違っているのではないかと思います。

私がオーストラリアに来たときに、ホストファミリーから、「あなたの宗教は何か?」と訊かれ・・・自分の宗教観について深く考えたこともなかったので、上手に答えることができなかったんですけど、「私はクリスチャンでも仏教徒でもないけど、小学生時代は6年間キリスト教の教会の日曜学校に通っていたし、祖母が熱心な仏教徒で・・・ご先祖のお墓参りするし・・・・神社にもお参りするし・・・」というように説明したら、日本人の宗教観にすごく興味を持ってくれたように記憶しています。

なので、あまり単純に、自分はAtheistだと言い切ってしまわずに、できるかぎり丁寧に説明したほうがいいと思います。

昔はあまり聞いたことがなかったけど、最近ときどきオーストラリア人が "I'm an agnostic." と言うのをきくようになりました。

Agnosticを和訳すると「不可知論者」なのだそうですが、「神が存在するかどうかは人間にはわからないので、存在を信じもしないし否定もしない」という立場の人なのだそうです。たぶん、日本人のほとんどは、atheistというよりは、agnosticなのではないかと感じますが、皆さんは、どう思われますか?

このテーマに興味のある方は、是非、こちらもお読みください。

Is it true that most Japanese are atheists?







7 February 2016

Atheistとは?


25年ぐらい前の話ですが、TAFE Collegeの夜間のコースで大人に日本語を教えていたときのことです。

私が日本の宗教文化の話をしていたからかもしれませんが、ある生徒が、"I'm an atheist."と、授業中に自慢げに言ったんです。そうしたら、他の生徒たち(年齢は25歳~70歳)が、軽蔑した目で彼のことを見たんですよね。その反応が意外だったので、そのときのことを今でもはっきりと覚えています。

「ああ・・・この国では、Atheistと言うと、あまりよく思われないんだなあ・・・」と思うきっかけとなった出来事でした。

その後、私が教師をしていたハイスクールに留学していた日本人の生徒が、" I'm an atheist."と自慢げに言った時にも、周りにいた生徒たちがシラ~ッとした反応をしていました。

そのハイスクールは、Anglicanの学校だったので、生徒のほとんどがクリスチャンの家庭の子ではあったんですけど、同じ時に留学していた別な日本人生徒が、"I'm a Buddhist."と言うと、周りの生徒たちがすごく興味関心を示して、もっと話を聞きたがっていましたし、日本語の授業で神道の話などすると、生徒が熱心に話を聞いてくれたのを覚えています。

話が少しそれますが、キリスト教の有名な牧師さんが学校を訪れて全校生徒が集まってキリスト教の説教を聞いたとき、そのBuddhistの生徒が勇敢にも「私は仏教徒なんですけど、クリスチャンじゃないから地獄にいくのでしょうか?」と質問した際、その牧師先生が、「クリスチャン以外は地獄」と答えたそうで、後で生徒たちがその子のところにきて、「天使のような心のあなたが『地獄』に行くんだったら、自分も『地獄』でいいや」などと言って慰めてくれたらしいです。(オーストラリア人は、本当に心が優しい!)

(話をもとに戻して)なんで、Atheistの話をしているかと言うと・・・

先日、ある日本人が、インターネット上に、"I'm a Buddhist, a Shintoist, and an atheist."とコメントして、それが「典型的な日本人」だと書いているのを見て、昔のことを思い出したからなんです。

「典型的な日本人が、Buddhistであり Shintoistであり atheistである」と聞くと、日本以外の国の人たちは、たいてい頭が???になります。

どうしてわかりますか~?


(続く)

5 February 2016

シドニーUFO目撃情報

ちょっと古くて、2010年3月24日のニュースですが・・・

シドニー在住の女性が夕日が綺麗だったので写真を撮ろうと思って車を降りたところ、突然UFOが飛んできた、というニュースです。

こちらが、その記事です。その女性が撮影したUFOの写真が載っているので、ぜひご覧くださいね。
UFO buzzes Sydney - and here's 'proof'

ご存知だとは思いますが、UFOは、Unidentified Flying Object (未確認飛行物体)の略ですから、Alienの操縦しているUFOとは限りません。

私には、この写真が本物かどうか検証することはできませんが、この目撃情報がオーストラリア全国のニュースで報道されたことに驚きました。日本なら、夜のバラエティー番組の話題になることはあっても、朝早くからテレビニュースで報道されることなどないですよね?

NSW州のUFOリサーチのスポークスマンによると、「オーストラリアでは毎年1000から1500のUFO目撃情報があるが、それは"just the tip of iceberg"」とのこと。

ちなみに、UFO目撃のことを英語ではUFO sightingsと言います。

オーストラリアで50年前に起きたWestall (ウェストール)事件については、以前にアメブロに記事を書きましたので、興味のある方は、是非、こちらをご覧ください。

オーストラリアで最大のUFOミステリーから50年

これは、アメブロの記事でも紹介したWestall事件に関するドキュメンタリーニュースです。



この動画に出ているUfologist (UFO学者)は、メルボルン大学の哲学科でufology (UFO学)を研究して博士号を取得したらしいです。UFO sightingsの資料は太古のものから現在のものまでかなりの数があるので、確かに学術的に研究すべきものかもしれません。

日本にもufologyを研究できる大学ってありますか?



2 February 2016

イニシエーションとは?

(この記事は、アメブロに2013年に掲載したものを編集し加筆したものです)

「イニシエーション」という言葉は、日本でも、スピリチュアルな人や悟りを求めて修行している人たちの間で使われているようです。

「イニシエーション」と聞くと、神秘的に聞こえますが、

「そもそも、Initiationとは何なのか?」と疑問に思い、Initiation(名詞)の元になっている動詞Initiateの意味をちょっと調べてみました。

Dictionary.comによると、

initiate
verb (used with object)
1.
to begin, set going, or originate: to initiate major social reforms.
2.
to introduce into the knowledge of some art or subject.
3.
to admit or accept with formal rites into an organization orgroup, secret knowledge, adult society, etc.
4.
to propose (a measure) by initiative procedure: to initiate constitutional amendment.

英和辞書によると、

1 (…への)(正式の)加入, 入会, 入門, 入社, 入党((into ...)).
2 (加入・入会・入社・就任などの)儀式;《民族》イニシエーション.
3 (…の)創設, 開始, 始まり((of ...));手ほどき(されていること);秘儀参入, イニシエーション.

To initiate something というと、「何か新しいことを創める、提案する」 というような意味で使われることが多いです。

スピリチュアルな人や宗教修行をしている人が使うInitiationは、 To be initiated into somethingの意味のInitiateの名詞形で、ある宗派や宗教の弟子として認められるための宗教的な儀式、秘儀参入のことを言います。

10年ぐらい前のことですが・・・・近所のTibetan Buddhist TempleがチベットからLamaを招待して瞑想に関するセミナーをやった際に、私も参加してみたのですが、会場には100人ぐらいが集まっていました。顔見知りもたくさん来ていたので、たぶんTibetan Buddhist ではない一般の人も多かったのではないかと思うのですが、翌日、そのLamaが執り行ったInitiation の儀式を、数多くの人が受けたそうです。

私自身は、「イニシエーション」っていうと、とてもsacredでpreciousなもので、initiation を受けるためには、真面目に修行する心構えが必要なのではと考えているのですが、オーストラリア人って、けっこう気軽にInitiationを受けるものなんだなあ・・・と、その時に思いました。いろんな宗教に顔を出してInitiationを受けている人もいるかもしれませんね。