Placebo Effect(プラシーボ効果)という言葉は、皆さんもご存知だと思いますが、Nocebo Effectという言葉はまだあまり知られていません。
Noceboとタイプすると、スペルが間違っていることを知らせる赤い下線が出るので、英語の辞書にもまだ載っていないようです。
Placebo Effectは、Sugar Pillを「これは鎮痛剤です」と伝えて患者さんに呑ませたら実際に痛みが消えるなど、効果がないはずなのに良い効果が出る場合のことを言いますが、Nocebo Effectはその逆で、Sugar Pillを呑ませて「この薬にはこんな副作用があります」と伝えると、副作用があるはずがないのに副作用の症状が出たりするなど、ネガティブな効果が出る場合のことを言います。
病気になって医者に行くとたいてい最悪のシナリオを聞かされますが、患者は医者を信頼し、医者の言葉を受け身で聞くので「治らない」「6か月の命です」とか言われると、それが真実でなくてもそうだと信じて(洗脳されて)しまい、実際に、医者から言われたとおりになってしまうことがあるので要注意です。
私事ですが・・・息子が生後6か月ぐらいの頃、気管支炎になって病院に入院した際、医者から渡された資料に、「赤ちゃんのときに気管支炎になる子のほとんどが慢性の喘息になる」というようなことが書いてあってビックリしました。幸い私は、決めつけて言われるとつい反発してしまう性格なので、「絶対にこの子は慢性の喘息にならない!」と自分で自分に言い聞かせることができましたが、「これを読む母親の多くがこの言葉を信じてしまうんだろうなあ」と思いました。
Smithonian.comのWhat is the Nocebo Effect?というタイトルの記事によると、Noceboによって死に至る可能性もあるそうです。Placebo 用の錠剤だと知らずに本物の錠剤だ思い、大量に呑めば死ねると思って26錠呑んで自殺を図った人が、大量に呑んでも何の影響もないはずなのに、血圧が下がりすぎて本当に死にそうになった、という例をあげています。
人間の心、思い、というのは私たちの想像以上のパワーを持っているので、Negativeなことを信じ込んでしまっていないかのチェック、本当に大切ですね。